PMOとは、Project Management Officeの略称で、プロジェクト管理を支援する組織や機能のことを指します。プロジェクトの成功に向けて、プロジェクトマネージャーとともにプロジェクトの全体像を把握し、プロジェクトの進捗状況や課題を把握し、課題解決や改善策の提案などのサポートを行います。
エンジニアと混合してしますこともあるのですが、両者の違いは、役割や業務内容が異なる点です。
エンジニアは、技術者のことを指し、プログラミング言語やネットワーク、データベースなどの技術を用いて、システムやアプリケーションの開発、保守、改修などを行う役割を担います。エンジニアは、コンピューターシステムの開発や運用に関する技術的な知識や能力を持ち、技術的な問題を解決することが主な役割です。
PMOは、プロジェクトマネジメントを支援し、プロジェクトの全体像を把握し、プロジェクトマネージャーをサポートすることが主な役割です。一方、エンジニアは、技術的な知識や能力を活かし、システムやアプリケーションの開発や運用に関する業務を担当することが主な役割です。
PMOの年収
PMOの年収は、経験や役職、業界、地域などによって異なります。一般的には、新卒の場合は年収300万円から400万円程度からスタートし、経験を積むにつれて年収が上がっていきます。
一方、経験豊富なシニアPMOの場合は、年収800万円から1000万円以上になることもあります。ただし、大企業や金融業界など、厳しい環境で働く場合は、その分高い年収を得ることができる可能性があります。
また、PMOはプロジェクト管理に特化した役割であるため、プロジェクトマネージャーよりもやや低い年収水準になることがあるとされています。ただし、PMOの業務がプロジェクトマネージャーを支援することが多く、プロジェクトマネージャーと共にプロジェクトを成功に導くことが求められるため、高いスキルを持ったPMOは高い年収を得ることができる場合があります。
PMO関連の資格
PMOをする上で、役に立つ資格は以下のようなものがあります。
PMP(Project Management Professional)
- PMI(Project Management Institute)が認定するプロジェクトマネージャー向けの資格
- プロジェクトマネジメントの知識や経験を評価し、認定する
- PMOの役割に求められるプロジェクトマネジメントスキルを磨くのに役立つ
PMBOK(Project Management Body of Knowledge)
- PMIが発行するプロジェクトマネジメントのガイドライン
- プロジェクトマネジメントに必要な知識やスキルを体系的に学ぶことができる
ITIL(Information Technology Infrastructure Library)
- ITサービスマネジメントに関する標準的なプラクティスを提供するフレームワーク
- ITプロジェクトのPMOにとって役立つ知識やスキルを学ぶことができる
これらの資格は、PMOの役割に求められるプロジェクトマネジメントの知識やスキルを証明することができるため、就職や昇進などの際に有利に働くことがあります。ただし、必ずしも資格を持っていることが必須条件となるわけではなく、実務経験やスキル、コミュニケーション能力なども重要な要素となります。
PMOの仕事内容
プロジェクト全体の把握
PMOはプロジェクト全体を把握するため、膨大な情報を管理する必要があります。プロジェクトの進捗状況、リスク、課題、予算など、様々な情報を収集・整理し、関係者に報告することが求められます。
開発ベンダの進捗を管理する立場の場合、実際に開発しているエンジニアへヒアリングをして生の声を拾い上げる必要があります。開発を進めていく上でどのような問題が発生しているのか、環境構築は滞りなく進んでいるのか、仕様の理解度は問題ないかなど、認識にズレがないかチェックします。
プロジェクトマネージャーとの調整
PMOはプロジェクトマネージャーのサポート役割を担うため、プロジェクトマネージャーとのコミュニケーション能力が求められます。プロジェクトマネージャーが求める情報を素早く提供することが求められるため、柔軟な対応が必要です。急に資料を作成してくれと言われることは当たり前にあります。また、プロジェクトマネージャーはいくつかプロジェクトを掛け持ちしていることが多いため、PMOは任されたプロジェクトを積極的に推進していく必要があります。
スケジュール管理
PMOはプロジェクトのスケジュール管理も担当するため、締め切りを守るために日々の進捗管理が求められます。スケジュール管理が上手くいかないと、プロジェクト全体が滞ることになるため、重要な役割を担っています。進捗が遅れた場合、または遅れそうと見込まれた場合には解決策やプロジェクトマネージャーへエスカレーションすることで問題解決を図り、スケジュール通り進められるようにサポートします。
プロジェクトの改善
プロジェクトに問題が生じた場合には、原因を分析し、改善策を提案することが求められます。例えば、開発ベンダの進捗が遅れていた場合には、何が悪いのか分析します。分析の方法は、設計や製造で発生した障害を集計したり、開発ベンダへヒアリングしたり様々です。原因を顕在化し、関係者へ共有して解決策を導き出していきます。
また、PMOはプロジェクト管理に必要なツールやテンプレートを提供することもあります。さらに、PMOは企業全体のプロジェクトポートフォリオを管理し、リソース配分や投資判断などの戦略的な業務を担当することもあります。
PMOの業務は多種多様
PMOの業務内容はプロジェクトによって多種多様です。開発ベンダの進捗管理がメインなのか、システム移行を推進するのがメインなのか、プロジェクトの立ち上げから全て担当するのかといった、ITの知識と経験を総動員して活躍する必要があります。今回はその中でも主な仕事内容を挙げましたが、単にプロジェクト管理をするだけではないこと頭に入れておいてください。
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