PMOの主な案件は?業界は?進むDX案件

本記事ではPMOの関わる案件や業界についてお届けします。

PMOはプロジェクト全体の進捗管理や開発ベンダのコントロール、課題の管理や改善を推進することで、プロジェクトの成功率を高めることを目的として投入されることが主です。

プロジェクトマネージャーの右腕として、各プロジェクトにおいて、チームの調整やリソースの最適化、リスクマネジメントなども行います。

では具体的にどのような案件で仕事をしているのでしょうか。

IT業界について

IT業界には、大きく分けてユーザー系とメーカー系の2つの分野があります。それぞれの特徴について説明します。

ユーザー系

ユーザー系企業は、自社が持つ業務システムや情報システムを開発・運用することが主な業務です。

例えば、金融機関や小売業、医療機関などが該当します。ユーザー系企業は、自社の業務を支援するために、ITシステムやアプリケーションの開発・保守を行うことが多く、プロジェクトの進行管理や品質管理、テスト業務などを自社内で行うことが多いです。また、最近では、クラウドサービスやAI技術など、最新のIT技術を活用した業務システムの開発・運用も増えてきています。

メーカー系

メーカー系企業は、自社製品の開発・販売を主な業務としています。

例えば、コンピュータやスマートフォン、家電製品などを製造する企業が該当します。

メーカー系企業は、自社製品に搭載するソフトウェアの開発や、製品の生産管理システムなどを開発することが多く、製品の開発とともにITシステムの開発・運用も重要な業務の一つです。

メーカー系企業は、ITシステムの開発・運用を自社内で行うこともありますが、外部のSIer(システムインテグレーター)や、OEMメーカー(製造委託会社)などに依頼することが多いです。

以上が、IT業界におけるユーザー系とメーカー系の概要です。ただし、最近では、この2つの分野が融合することも多くなってきています。

例えば、自動車メーカーが自社製品のITシステム開発を行うこともありますし、小売業がAI技術を活用したサービスを提供することもあります。

PMOは、業種によらず、あらゆる業界の企業に存在することがあります。ただし、プロジェクトを多く抱え、そのプロジェクトを効率的に遂行する必要がある企業において、PMOの設置が多く見られる傾向があります。

例えば、大手IT企業や金融機関、製造業などの大規模企業は、多数のプロジェクトを抱えており、PMOの設置が一般的です。また、政府機関や公共団体も、社会インフラの整備や大規模プロジェクトの遂行において、PMOを設置することがあります。

ただし、小規模企業や中堅企業でも、プロジェクトを遂行する上でPMOの機能を必要とする場合があります。そのため、企業規模や業種による差異はあるものの、あらゆる企業でPMOの存在が見られることがあります。

IT業界以外の主要な業界

ITはあらゆる業界に通じており、アサインしたプロジェクトでは、その業界について勉強する必要があります。

主要な業界は下記となります。

製造業

製造業とは、原材料や部品を加工して製品を作り出す産業のことを指します。具体的には、機械、電子機器、自動車、食品、医薬品、化学物質、衣服、家具など、さまざまな製品を製造する業種が含まれます。

工場や生産ラインを持ち、大量生産が一般的です。生産ラインには、原材料や部品を自動的に取り扱う装置や、工程ごとに製品を組み立てるための装置が備わっていることが一般的です。

そのため、製造業でPMOの携わる案件は、主に在庫管理システムの開発・保守の運営がが挙げられます。在庫管理システムは一般化してきていることもあり、開発よりも保守が多い印象です。

金融・保険業界

金融業界とは、金融サービスを提供する企業や機関の総称であり、銀行、保険、証券、投資信託などの業種が含まれます。金融業界は、お金を借りたり、貯めたり、投資したりするための仕組みを提供することで、経済活動を支える重要な役割を果たしています。

銀行は、預金や融資などの金融商品を提供する金融機関であり、企業や個人が資金調達や運用を行うための基盤となるサービスを提供しています。

保険は、リスク分散のための商品を提供する金融機関であり、災害や疾病などの不測の事態に備えることができます。

証券は、株式や債券などの投資商品を扱う金融機関であり、企業の資金調達や投資家の運用などを支援するサービスを提供しています。

投資信託は、複数の投資家の資金を集めて、それを分散投資することで、リスク分散と収益性を追求する商品を提供する金融商品です。

PMOの案件としては、保険営業の進捗管理システムや金融商品の管理システムなどが挙げられます。金融業界は個人情報をガッツリ扱っているため、セキュリティが厳しい場合が多いです。開発ルームへ行くのもスーツ着用で、社用のPCも何重にパスワードがかかっている等。PMOとしては言葉遣いも気にしたいところですね。

商社・流通業界

商社や流通業界は、商品を生産する企業と消費者の間に位置する産業であり、商品の販売や流通を担当します。

商社は、製造業や農業、鉱業などで生産された商品を仕入れ、販売先である小売店や卸売業者などに販売する業界です。

流通業界は、生産された商品を最終消費者に販売する業界であり、小売店、スーパーマーケット、百貨店などが含まれます。

PMOの参画する案件としては、商品の在庫管理システムや流通経路を把握できるようなシステムです。BtoB向けのシステムがメインとなります。

医療・福祉業界

医療・福祉業界は、医療や介護、福祉サービスを提供する企業や機関のことを指します。医療・福祉業界は、人々の健康や生活を支えるためのサービスを提供することで、社会的な役割を果たしています。

医療業界は、医療機関や医療従事者が提供する医療サービスに関連する業界を指します。医療業界には、病院、診療所、歯科医院、薬局、医療機器メーカー、医薬品メーカーなどが含まれます。医療業界は、医療技術の進歩や人口の高齢化などの社会的な課題に対応するために、常に新しいサービスや製品を開発し、提供することが求められています。

福祉業界は、社会福祉や介護、障がい者支援などのサービスを提供する業界を指します。福祉業界には、介護施設、障がい者福祉施設、地域福祉センター、社会福祉協議会、NPO法人などが含まれます。福祉業界は、高齢化や少子化といった社会的な課題に対応するために、新しいサービスや取り組みを開発し、提供することが求められています。

PMOの案件としては、病院で使用されるシステムが主となります。例えば、電子カルテシステムや医療機器制御システム、在宅医療支援システムといったものとなります。技術進歩の観点から見ても、医療業界はこれから活発化してくるため、業界知識は身につけておいて損はないです。

建設業界

建築や土木工事などの業界です。代表的な企業には、清水建設、大林組、鹿島建設などがあります。

DX(Digital Transformation)について

また、近年ではDX(Digital Transformation)が流行っており、これに付随した案件が多くなっています。DXは、デジタル技術の発展により、ビジネスや社会に大きな変革をもたらす可能性があるとされ、企業や組織はDXを取り入れることで、市場の変化や顧客ニーズの変化に迅速に対応し、より高度なサービスや製品を提供することができるようになります。

進んでいるDX案件では、ビッグデータ、クラウドコンピューティング、人工知能(AI)、IoT(モノのインターネット)など、様々なデジタル技術が活用されているところもあります。

DXを推進している主要な業界

DXを推進している業界は多岐にわたりますが、特に以下のような業界が挙げられます。

IT・通信業界

DXは、デジタル技術を活用したビジネスやサービスの提供が主となるため、IT・通信業界においては特に推進が進んでいます。クラウドサービスや人工知能、IoT技術などを取り入れることで、新しいビジネスモデルの創出や業務効率の向上が期待されています。

ファイナンス・保険業界

デジタル技術を活用することで、顧客との接点やビジネスプロセスを大幅に変革できるため、ファイナンス・保険業界でもDXが進んでいます。モバイルバンキングやロボアドバイザーなどのサービスが登場し、既存の金融商品やサービスにもデジタル技術が取り入れられるようになっています。

小売業界

小売業界においても、DXが進んでいます。オンラインショップの普及に伴い、小売店舗においてもデジタル技術を活用した顧客接点や効率化が求められています。また、顧客の行動履歴や購買履歴などのデータを活用することで、よりターゲットに合ったマーケティングが可能になるとされています。

医療・健康・福祉業界

医療・健康・福祉業界においても、DXが進んでいます。デジタル技術を活用することで、医療や介護の現場での業務効率化や、遠隔医療・遠隔健康管理の実現が期待されています。また、健康データの活用により、疾患の早期発見や予防につながるとされています。

DXという字面だけ見れば「先進的な取り組みで楽しそうだ!」とワクワクしますね。画面表示速度を上げるため、現行のシステムをモダンなフレームワークへリプレイスするとか、既に出来上がっているシステムの性能を上げる系の案件ならまだ良いです。

しかし、よくあるのが「DXやAIが流行っているからとりあえずIT化しよう!」といったフルスクラッチではじめそうな古風企業の案件です。この場合、要件定義が荒れること間違いないため、「それでもいけるぜ!」という方は是非積極的に挑戦してみてください。

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